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O CAMINHO DAS NUVENS 『ミドル・オブ・ザ・ワールド』
(自転車でブラジルを3200km横断した7人家族の実話に基づく物語)

(ドラマ)
長編映画 フィクション
85分 カラー - 2003年作品
監督 : ヴィンセント・アモリム

あらすじ : 失業中のトラック運転手ロマンは家族を養うために月400ドル稼げる仕事に就くことを決意する。妻ローゼと5人の幼い子供達を連れてリオデジャネイロを目指して職探しの旅に出るが…。4台の自転車でブラジルの5つの州を3,200km横断し、リオにたどり着いた実話を元に家族の絆を描いた心温まるロードムービー。頑固な父親ロマンを見事に演じたワグナー・モーラはウォルター・サレス監督『ビハインド・ザ・サン』(01)にも出演している。

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ストーリー

ブラジル北部・パライバ州のヒンターランドにある「世界の中心広場」ここがこの途方も無い旅生活の出発点となる。 無学だが頑固なトラック運転手・ロマンは、自らを「運命の男」と信じ、失業中でありながらも家族を養うために月1,000レアル(約400ドル)稼ぐ仕事に就くのだといい、妻ローゼと、6ヶ月の赤ん坊を含む5人の子供達を連れ、4台の自転車で旅を始める。 まずは守護聖人シセロ神父の像のある町・ジュアゼイロを目指して・・・。

途中、ガソリンスタンドなどで野宿をしながら辿りついた町で、いきなりチンピラの手痛い洗礼を受ける長男アン トニオ。よそ者に冷たい土地を離れ、次の町サン・ベントで、名士サルガード夫妻と出会う。 旅の事情を知った夫妻は部屋を提供し、ローゼがハンモック作りで日銭を稼ぎつつ、ロマンがトラック運転手の職を探すが、あいにく 仕事は見つからない。

平穏な居候生活が2ヶ月が過ぎようとした頃、再びジュアゼイロへ旅立つ決意をするロマン。「ローゼも稼いでいるし、ロマンの職だってそのうち見つかるから。」と引き止める夫妻の好意の言葉に、ロマンは「俺の誇りが許さない」と言う。 食料も底をつき、野宿生活も限界に達しつつあった頃、ようやくジュアゼイロへ到着する一行。

そびえ立つシセロ神父の像に祈りを捧げた後、シセロ神父の博物館で、人だかりの中、持ち上げれば神の恵みを受けられる、という重厚なテーブルを、渾身の力を振り絞り、僅かに持ち上げた後、倒れこんでしまうロマン。
その夜、ローゼに「俺は家族も養えない情けない男だ。
愛想が尽きないか?」と、初めて弱音を吐くロマン。しかし、神のお導きを信じ、南部の聖地・リオを目指して、必ず月1000レアル稼げる職に就くことを宣言すると、一家団結し、再び旅路に出る。
バイーア州・ジュレマルでは、子供達が洗車をして稼ぎながら路上生活をし、そこで気の良い放浪者・ジデアンと知り合う。彼に紹介されたタイヤ修理工の友人を訪ねて、フィラデルフィアへ向かうと、アントニオは弟のロドネイと深夜の教会で手に入れたお金で、リオ行きのバスのチケットを買う。
「これで自転車とはオサラバさ。」と得意げに言うアントニオに、ロマンはどこで金を手に入れたのかと問い詰める。教会で手に入れた(盗んだ)ことを知り、「うちは貧しい。だが物乞いはしても、泥棒じゃない!」と、アントニオを怒鳴りつけ、チケットを破り捨てるロマン。皆の為を思っての行為が叱責され、心にわだかまりを残すアントニオ。

バイーア州・ポルト・セグーロにて、興行主・パナマが呼び掛ける「学歴無用。男女年齢問わず皆採用します。」という、この旅始まって以来初めてのチャンスに出会い、喜ぶローゼ。しかしロマンは「何かうさん臭い」と乗り気ではない。結局「いつまで一文無しのまま旅を続けるつもり?」というローゼに背中を押されてしぶしぶ登録をするが、案の定、観光客向けの夜のショーのダンス要員という仕事で、プライドを傷つけられたロマンは「俺が認めない仕事を二度とやらせるな!」と言って怒る。
一方その会場でジデアンと再会したアントニオは、ダンスクラブへ行き、一晩中家族に無断で遊んだアントニオは、明朝、ローゼにひどくしかられるが、自分はここに留まると言う。動揺するローズにロマンは「息子は親の所有物ではない」と長男の自立を認める。

しかし、数日の後、夜のガソリンスタンドで偶然家族に再会するアントニオ。ロマンがアントニオの為に建築現場での職を見つけて、いよいよ本当の自立と別れの時がやってくる。「世の中に混ざったら、もう会えないわ。」と言って涙の抱擁を交わすローズとアントニオ。 それから更に数日の後、一行はついにリオの町に到着するのだが・・・。
キャスト
ロマン

ワグナー・モーラ(Wagner Moura) 近作では、『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス監督作『ビハインド・ザ・サン』(2001)や、『蜘蛛女のキス』でアカデミー賞を受賞したヘクトール・バベンコ監督の『カランジル』(2003)に出演している。
ローゼ

クラウディア・アブル(Claudia Abreu) 10代の頃から女優としてテレビドラマで活躍する中、 映画では『クアトロ・ディアス』(1997)等に出演。

子役

アントニオ:ラヴィ・ラモス・ラサーダ

ロドネイ:マニュエル・セヴァスチャン・アルヴェス・フィルホ

クレヴィス:フィリップ・ニュートン・シルヴァ・ロドリゲス

シセロ(シッソ):シセロ・ワリソン シセロ・ウェスリー・フェリーラ
監督:ヴィンセント・アモリム

オーストリア生まれ。幼い頃からシネフィルで、イギリス、アメリカ、オランダ、ブラジルなど世界各国を転々とし、14歳の時に8mmで短編映画を撮ったのを皮切りに、23本の長編映画の助監督を務め、5編の短編映画を監督した。その中でも『Don’t Get Charged Up』は、わずか3分あまりの3Dアニメーションながら、国内外の賞を受賞し、現在はニューヨークのグッデンハイム・ミュージアムに所蔵されている。200本以上のCM、ミュージックビデオも手掛けており、長編映画デビュー作は2000年に撮ったドキュメンタリー映画2本。劇映画は今回が初監督。

テクニカルデータ

プロデューサー : ルーシー&ルイス・カルロス・バレット、ブルーノ・バレット、アンジェロ・ガスタル

撮影 : ガスタボ・ハッバ

録音 : クリティーノ・マシェル

編集 : ペドロ・アモリム

音楽 : アンドレ・アブジャラ